観てよかった

萩尾望都原作「11人いる!」のスタジオライフ公演を観てきました。子供の頃に原作漫画を読んでいて好きな作品でした。大人になってから文庫版を買ってまた読んだり。時を経ても面白いと思える作品です。そんな作品を大好きなスタジオライフが舞台化するというので結構期待しつつもチケットを買ったのは公演直前でしたが。
それでもやっぱり行って正解でした。お話は宇宙大学の入学試験の最終テスト。外部との接触を断たれた宇宙船で10人1組で53日間の宇宙飛行をすること。不測の事態が起きたときには非常信号ボタンを押すことで助けを呼べるけれど、どんな理由であってもそのボタンを押せば全員不合格になる。そんなテストが始まってみたら受験生はなぜか11人いて・・・。一体だれが11人目なのか、不安な中で次々と起こる宇宙船内のトラブル。
絶対に誰かが11人目でこの試験を妨害しようとしているという互いに信じあえない中、それでも打ち解けあい、信頼しあい、反目しあい、疑い・・・と、心が揺れ動く11人のちょっとした心の動きがとても素直に伝わってきました。ストーリーもよく知っているので最後まで淡々と見ちゃうだろうなと思っていました。それなのに、終盤、フロルが伝染病に感染したところから涙がこぼれてこぼれて。。。そこまで泣くような激しい展開じゃないんですよ。予測された事態だし、ここでがっかりして、ここで喜んで、ここで嬉しくなって。みたいな流れが完全にわかっているのに。ここまで感動したのはやっぱりチームワークの良さなんですよね。みんなが仲間のことを心配する気持ちや、みんなで喜びをわかちあう姿が嘘じゃないって思えるんですよね。セリフや行動に現われない空気感がとても温かいんです。優しいんです。流した涙は心が温かくなる涙でした。終演後、なんだか心が開放されたような感覚がありました。癒されちゃったみたいです。
今回観たのは2つあるキャストパターンのうち「Mizarチーム」。主役のタダは松本慎也、フロルは三上俊、王様が曽世さんというチームでした。原作がSF漫画なので衣装とか小道具とかカツラとか、かなり凝ってました。とくにカツラまたはヘアスタイル。原作そっくりだったので登場した瞬間笑っちゃいました。しかも似合ってるし。。。曽世さんは「このカツラが似合う人にならなきゃ」と終演後のトークタイムに話していました。みんなが**役の**ですと自己紹介する中、「曽世様です」と言って笑いをとってました。王様ですからね(笑)
タダとフロルは見た目にも原作のイメージに近くて、身長も同じくらいだし、少年っぽい二人だし、二人が仲良くなっていく流れがほほえましくてほんとによかったです。あとは山崎さんと林さんは芸達者な二人らしく、ビジュアル的に一番の難役をとてもユーモラスに演じていました。
あと、アマゾン役で堀川剛史さんが出演してました。声が岩崎くんみたいで張りのあるストレートな声(ミカシュンもこういう系列ですよね)。この声に惹かれてかなーり注目しちゃいました。いままで彼の存在に気づいたことがなかったんです。濃い顔じゃないんですが、とってもかっこいいなーと思いました。終演後にリピートチケットの受付をされていて、ちょっと見ていたら声をかけられてドギマギしてアワアワして、逃げちゃいました(笑)。これから注目しちゃおう!

ほんとはもうひとつのチームも観てみたいけど、こっちのチームですごく満足しちゃいました。もっかい行く機会はあるかなぁ。

ゲネプロのレポートはこちら↓
http://okepi.jp/kangeki/2011/02/20110204.html