たまには観劇も

震災以後、いろいろな公演が中止になったり、公演日数を減らしたりしています。演劇は儲からない世界と言われていますから、公演中止は大変な痛手だと思います。また、最近の公演も客入りが悪いようです。変に自粛モードが蔓延したり、チケット発売の時点では公演日に劇場へ行く交通手段があるかどうかもわからなかったりしたし、いつも行く公演でも見送った人も多いのでしょう。直近の公演でいくつか割引チケットが発売されたりしてます。そしてチケット代の一部を震災の義援金として寄付するのだそうです。被災地に貢献できるのであれば観に行こうと思う人もいるでしょう。私も変な自粛はせず、観たいときや行けるときは舞台を観続けようと思っています。
3月の終わりには宝塚花組公演「愛のプレリュード」を観てきました。真飛聖のサヨナラ公演です。初日が開いて間もないときでした。休日の電車が間引き運転ながらも運行されることがわかったのでチケットを買って行ってきました。サヨナラ公演らしい演出が随所にあって、感慨深く観させていただきました。私にとって現役のなかで強い思い入れのある最後のジェンヌです。まとぶんは初舞台のときは阪神淡路大震災直後だったし、卒業するときには東日本大震災が起き、震災の記憶とともに宝塚を生きたジェンヌとも言えます。サヨナラ公演も卒業の感慨に浸りきれないだろうし、それでも舞台上ではそういうことを感じさせない姿には胸を打たれました。この公演を観ている間、震災のことを忘れて、夢の世界に浸ることができました。人は現実だけ見ていては生きていけないこともあります。だから舞台人は胸を張って舞台に立っていてほしいです。絶対に世の中の役にたっていますから。