風が強く吹いている

三浦しをん原作「風が強く吹いている」は今年の秋に映画が公開されます。そして舞台版が現在、ル・テアトル銀座で上演されています。きのう、このお芝居を観てきました。
原作は読んでいませんので「箱根駅伝を目指す若者の話」という予備知識しかないまま観ました。第一幕が1時間10分、休憩15分、第二幕1時間40分 という張り紙を見て、なんちゅー長い芝居だと不安に思いながら席につきましたが、始まってすぐの場面から面白い!すごく面白いんです。冒頭の黄川田将也和田正人二人だけの場面のなんともいえない間合いがすごく上手い!そしてどんどん物語に引き込まれていきました。素人同然の大学生10人が一人の呼びかけにより突然箱根駅伝を目指すことになるというこのお話。メンバーを10人を集められるかどうか、予選会出場するための最低ライン(17分以内に5キロ走破)を達成できるか、予選会を突破できるか、などの試練を乗り越えて、箱根駅伝の晴れ舞台を走るところまであります。それぞれに葛藤があるなかで成長しながら走る喜びを知っていきます。ほんとうの箱根駅伝のような感動がありましたよ。
和田正人は実際に箱根駅伝で9区を走った経験がある役者です。昨年末、ミュージカルテニスの王子様のDVDを購入し、添付のリーフレットの写真を見たら「和田正人」が載っていました。初めて知る役者なのにどこかで見た覚えがありました。この目、最近どこかで絶対見たって。大きくてちょっと物悲しい感じの目。しばらく悩んでから気付きました。ドラマ「ギラギラ」の最後の2回に登場したホストだ!って。ギラギラを見たときは好きとかどうとかは思わなかったんですが、すごく印象に残ったんですよ。で、テニスの王子様DVDで見た和田正人も、演技経験がほとんどないにもかかわらず、すごーく上手かったんです。度胸と華があり、しかも演技力もある。カンが凄くいい。そういう役者ですね。
だからこの舞台を観に行ったのも、実は生の和田正人の演技を見てみたかったからなんです。想像以上に素晴らしい演技でした。何度も涙ぐんじゃいましたし。和田正人演じる蔵原走が高校時代陸上部で一緒だった榊役の荒木宏文(彼もテニスの王子様に出演した役者)も良かったですよ。二人がぶつかり合う場面はやっぱり泣けました。お互いに心にわだかまりをもっていたのが爆発する場面でした。これから観る方はお楽しみに。
そして、我らが(?)スタジオライフの松本慎也くんは1区を走ることになる通称「王子」という役。スポーツ漫画に精通している学生の役でした。とってもユニークなキャラで、かわいかったです。駅伝場面では誰よりも長く走って走って走りながら台詞を言ってました。お疲れ様でした。

機材解放席という安い席を買っていたのでてっきり最後列の端だと思っていたら、なんと前から2列目の端でした。演出効果が一部見切れる可能性があるという話だったけど、しっかり全部見れました。お得に観られて大満足でした。