宝塚BOYS

終戦直後、宝塚に男子部ができたそうです。女だけの宝塚はいずれ行き詰まるから男子部が必要だということで。最初は二年間のレッスン期間の後に舞台に立つという話でした。でも宝塚に男子が必要だという声は一向に聞こえてこず、それどころか舞台に男の声が聞こえたというだけで苦情が来る始末。姿が見えない「馬の足」の役や、コーラスくらいしか役がつかず、レッスンしても希望も見えず、上層部は男子部の扱いに困り。。。そして男子部は解散を言い渡されます。いつか宝塚の舞台に立てると信じて何年間も努力した男子部の面々。哀しい話ですが実際にあった話なんですよ。切なく哀しい物語ですが、最後に男子部の夢の舞台が繰り広げられます。
このショーがとっても素敵でした。宝塚のグランドフィナーレそのものでした。燕尾で大階段(12段しかなかったけど)でダンスして、歌って踊って決めポーズして、最後は羽をしょってシャンシャンを持って、とっても華やかなステージを披露してくれました。本物の男性ばかりなのにちゃんと宝塚に見えました。彼らが日の目を見ていたら、宝塚の歴史も大きく変わっていたんでしょうね。どっちが良かったのかはわかりませんが。
ダンスのうまい吉野圭吾が先生になって通常の稽古の一時間前からみんなでダンスレッスンをしていたそうですが、その成果が十分に出ていました。中でも須賀高匡の立ち姿がとても宝塚の男役っぽくてよかったですよ。彼は子供のときから宝塚によく連れていかれたってどこかのインタビュー記事で読みましたが、だからなんですかね、ポージングの微妙な角度、背中から足にかけて弓なりなライン、どれもがまさに「宝塚」でした。よく理解していらっしゃる!と感激しました。
それから、ル・テアトル銀座について。ここは初めて行ったんですが、とても見やすいホールでした。客席にゆるやかな傾斜がついていました。そして席の座面も背もたれもとても気持ちがいい。こんなにいいシートは初めてでした。上の階にテアトルシネマという映画館が入っているんですが、もしかしてその映画館のシートも同じなんでしょうかね。気になるところです。