虞美人

きのうは東京宝塚劇場花組公演「虞美人」を観ました。直前にチケットを入手したのであんまり予備知識もなく、着いてからショーなしの一本立てだと知ったくらい。で、このお話は項羽と劉邦のお話でした。虞美人は項羽の妻。好きな方は多いと思いますが、私はあんまり深い知識はないです。でもすごく面白かったです。秦の始皇帝が亡くなったあと、項羽と劉邦が義兄弟の契りを交わしながらも敵味方にわかれて覇権を争うというものです。観劇後に無料冊子「TCA PRESS」を読んでいたら解説が載っていました。
西楚の覇王「項羽」は代々楚の将軍を務める家柄の出身で話を聞かないワンマン武将、武術では右に出るものなし。
漢国の帝王「劉邦」は農民出身で自然と人を引き寄せる性格。

劇中でも性格についていろいろ言われていましたが、項羽はなんでも一人でやってしまい人に任せることをしないから武人としては一流でも頂点に立つべき人物ではない。一方、劉邦は軍才は乏しいが人の能力を見抜くことに長け、有能な家臣に任せるタイプ。自分の会社の社長はどっちのタイプだなとか、いろいろ身近な場面を想像してしまいました。

で、宝塚の中国ものはすごくきれいなんですよね。衣装が華やか、剣を使った戦闘シーンや剣舞が特徴的で動きがとても美しいんです。久々に観た宝塚がすごくいい作品でラッキーだなぁと思いました。

あと、はるか昔に漢文の授業で習った「四面楚歌」のエピソードがこのお話の中に出てきました。すごく懐かしい思いがしました。あの漢詩をもう一度読みたくなりました。。。ということで見つけた漢詩


項王軍壁垓下。
兵少食尽。
漢軍及諸侯兵囲之数重。
夜聞漢軍四面皆楚歌、
項王乃大驚曰、
「漢皆已得楚乎。
是何楚人之多也。」
項王則夜起飲帳中。
有美人、名虞。
常幸従。
駿馬、名騅。
常騎之。
於是項王乃悲歌忼慨、
自為詩曰、

力抜山兮気蓋世
時不利兮騅不逝
騅不逝兮可奈何
虞兮虞兮奈若何

歌数闋、美人和之。
項王泣数行下。
左右皆泣、莫能仰視。