良席でした。

ル・テアトル銀座安田顕中村中によるリーディングドラマ「LOVE LETTERS」を観てきました。6列という非常に前方の席だったのですが、行ってみたら前3列が撤去された作りになっていて、なんと前から3列目。すぐそこがステージでした。始まる前にためしに双眼鏡を覗いてみましたが、近すぎてピントが合いません。なによりそんな近くから双眼鏡で覗いたらこっちが恥ずかしいんじゃないかと思い封印しました。
始まる少し前に鈴井社長と副社とマネージャーのむらびんが客席に現れました。社長は今日は東京出張だって書いてたからもしかしたら会えるかと思ってましたが、ほんとに会えて感激でした。

さて、朗読劇のほうは、途中で15分の休憩を挟んで2時間、ひたすら舞台上に置かれた椅子に座ったまま、台本を読むという形で進んでいきました。安田さんはアンディ。海軍を経て法曹界に入り上院議員まで登りつめます。中村さんはメリッサ。アートの道に進んだものの行き詰まって精神的破綻をきたします。二人は幼馴染で幼い頃から50年にわたり手紙のやり取りを続けます。その間に愛情が芽生えたり立ち消えたり別の人と結婚したり離婚したり、いろいろなことを経ながら二人は手紙を書くことで繋がり続けます。最後は会場全体からすすり泣きが聞こえるほどの哀しく切ないクライマックス。胸を打つドラマでした。

安田さんはNHKの朝ドラ「瞳」で見せるおばかな勇蔵さんのイメージは全くなく、短く切った髪にダークスーツ。黒いネクタイに黒いポケットチーフという姿。すごくハンサムでした。朗読する声が最初は幼く、段々と大人になり、上院議員になり、年を取り、という中でどんどん変化していきました。今何歳くらいだろうとか、考えなくても時間の経過がはっきりとわかりました。さすがです。中村さんは役者さんじゃないのにそれを意識させないくらい上手でした。意外でした。とても長い朗読なのに声が最後までハッキリしていたし、滑舌も良かったです。年齢を経たことによる声の変化までは無かったけど、十分だと思いました。安田さんと二人で二人の人生の世界をつくりあげていました。感動でした。しばらく頭から離れないだろうな〜。

「LOVE LETTERS」とは・・・舞台にはテーブルと二脚の椅子。並んで座った男優と女優が、手にした台本を読み上げるだけの2時間。大掛かりな仕掛けも、目をひく照明や音響もない、このシンプルな舞台が、これほど見るものをとらえてはなさないと、誰が想像できたでしょうか?…。「ラヴ・レターズ」は1989年ニューヨークで初演されるやいなや、全世界で上演され、静かなブームを巻き起こしました。パルコ劇場でも1990年8月19日に幕を開け、それ以来、この一つの台本を年齢も個性も異なった様々なカップルが読み続けています。